今回はみかんの皮と重曹を入れ、数日発酵させるだけでできるエコ洗剤を作ります。
柑橘類の皮にはリモネンという油を溶かす成分が含まれています。発酵させることで抽出でき、油汚れや白浮き汚れなどを落とすことができます。
皮をつぶすといい香りがするし、そのままフライパンをこすり洗いすることもありますが、今回はスプレーボトルに入れて使いやすく作りました。
掃除嫌いな私も天然のみかんの香りも癒されて掃除する気になれます
柑橘類の皮ならなんでもOK!
みかんやオレンジなどの柑橘類の皮の表面はプツプツしているのに気づきます。皮を折ってみるとそのプツプツが弾けていい香りがしますよね。
これがリモネンという油になじむオイル成分で、「オレンジオイル配合」と洗剤やハンドソープに使われていたりします。
オレンジやレモンのエッセンシャルオイルもリモネンから抽出されています
米ぬかの油分で食器の油汚れが落とせるように、油で油を落とす要領でオレンジオイルでも油汚れが落とせるのですね。
多くの柑橘類の皮にリモネンは含まれているので、身近なもので試してみてください。
みかんの皮を使った洗剤の作り方
まずは必要なものを準備します。
準備するもの
- みかんなど柑橘類の皮 1個分
- 重曹 大さじ1
- 適量の水
- 瓶やペットボトル 1つ
- スプレーボトル(必要に応じて)
- さらしやコーヒーフィルターなど(必要に応じて)
以下補足です。
みかんなど柑橘類の皮 1個分
今回はお知り合いから頂いた名も知らぬ柑橘類の皮を使いました。無農薬で作られたものだったので安心ですが、お店で購入された場合はしっかり洗っておきます。
塩や重曹で洗うとほどよく表面に傷がつき、オイル成分が抽出しやすくなるようです
サイズはコタツで食べるみかんよりも少し大きいくらいでしたが、しっかりオイル成分が抽出されて結果的に3倍くらいに薄めたのでそんなにたくさん量は要りません。
瓶やペットボトルなど 1つ
みかんの皮を入れて発酵させる容器を用意します。スプレーボトルに入れ替えない場合は、掃除に使いやすい容器で作ってください。
あとでスプレーボトルなどで使いたい場合は、みかんの皮が取り出しやすいように口が広い容器の方が楽です。
今回たまたま空いている瓶に入れたら口が小さくてちょっと難儀でした…
さらしやコーヒーフィルターなど(必要に応じて)
スプレーボトルに抽出液を入れて使いたい場合は、不純物やみかんのカスでスプレーが詰まらないようにさらしやコーヒーフィルターで濾して使います。
濾せればどんな方法でも大丈夫です。
みかん洗剤の作り方 手順
では早速作っていきます!
- STEP1みかんの皮をスライスする
キッチンバサミや包丁でみかんの皮を薄くカットします。
- STEP2すべての材料を容器に入れる
スライスしたみかんの皮と重曹を発酵させる容器に入れ、みかんの皮がしっかり浸かるくらい水を入れます。
- STEP3しっかり振る
フタをかっちり閉めて重曹が溶けるまでしっかり振ります。
- STEP4暗所で2〜3日放置
まだまだ色も薄い状態ですが、シュワシュワと音を立てています。この状態で2〜3日放置します。
フタはしっかり閉めず、かぶせるくらいにしておいてください。発酵の過程で発生する中のガスを逃がすためです
- STEP51日1回容器を振る
発酵中も1日1回フタを閉めてしっかり振ります。
写真は1日経った様子で、小さな気泡がたくさんできています。耳をあてるとシュワシュワいっているのが聞こえます。
振ったあとフタを開けるとプシュッと音がして発酵が進んでいるのがわかります。
はなばた振ったあとはまたフタはかぶせるだけにしておきます
- STEP6原液が完成!
3日目、気泡も出ておらずシュワシュワ音も聞こえず静かな感じです。色もかなり濃ゆくでています。
ペットボトル容器であればこのままフタに穴を開けるなどして使えます。バケツに薄めて入れて使うなどする場合はこれで完成です!
- STEP7【オプション】スプレーボトルで使う場合 ー抽出液を濾す
スプレーボトルに入れる場合はみかんのカスが詰まらないように抽出液を漉します。
私はスプレーボトルにじょうごを置き、その上に濡れたさらしを設置しました。コーヒーフィルターなどあるものを使ってください。
はなばたさらしが抽出液をムダに吸わないようにさらしはあらかじめ濡らしておきます
抽出液を流し入れて漉します。
- STEP8【オプション】スプレーボトルで使う場合 ー皮も絞る
みかんの皮自体もかなり水分を吸っているので、最後はそのまま放りこんでしっかり絞ります。
コーヒーフィルターなど破れやすい場合は手で絞ってください。
- STEP9【オプション】スプレーボトルで使う場合 ー漉した原液が完成!
余分な不純物やカスが取り除かれてスプレーボトルでも使いやすい状態になりました!
実際にはオイル成分が濃ゆすぎてベタベタしたのでこの原液を3倍に薄めて使ってちょうど良かったです。
鏡やシンク、あらゆるところで使える!
今回は鏡と蛇口をきれいにしてみました。
鏡の水滴汚れがピカピカに
リモネンパワーを試すために鏡を汚しておきました。
(よく汚れてるのは通常運行…)
私は髪を乾かす時に椿オイルなどを塗っているので、水滴が鏡に飛んで油汚れにもなって浮いていることがよくあります。
お目汚しすみませんが、オイルを含んだ水滴汚れが点在しております…。当然ですが時間が経つととれにくくなります。
みかん洗剤を吹きかけて拭いてみました。
分かりにくいかもしれませんが、軽く窓拭きする感覚できれいに落ちました!いつも結構力を入れて拭いていたのですが、ちょっと感激です。
写真左上が白っぽくなってしまいましたが、リモネンのオイル成分が濃ゆすぎてベタベタしていました。これに気づいて使いながら3倍まで水で薄めました。
いわゆる鏡のうろこ汚れは油汚れではないのでみかん洗剤で取るのは難しいと思います…
蛇口の白浮きもスッキリ
バスルームの蛇口の白浮き汚れにも試します。
上の状態にみかん洗剤を吹きかけてウエスで拭いてみます。
古い部屋な上に暗いのでちょっと分かりにくいですが、こちらもピカーン!と輝きました。
天然のいい香りできれいになっていくので、ここから壁を拭き床を拭きと掃除嫌いでも掃除が進みました。
柑橘類の香りは気分を元気にして集中力を与える香りでもありますね
自然素材だけで作っているので、安心して使えるのもいいですね。
手づくりみかん洗剤の注意点
自然素材だけで作れるみかんの皮洗剤ですが、いくつか注意点もあるのでトライしてみる前に内容と対策をぜひ確認してみてください。
光毒性がある
柑橘系のオイルには光毒性があり、オイルがついた状態で肌に紫外線があたると炎症やシミなどのダメージを受ける場合があります。(参考リンク:AEAJ「柑橘精油に含まれるベルガプテン量の比較」)
そもそも掃除したあとは手を洗うと思うので問題ないと思いますが、使ったあとはしっかり洗って落としましょう。
作るときも手や顔にかかった感覚があればしっかり洗い落としてくださいね
素材や柑橘類によって色素沈着する可能性がある
上の写真はほぼ原液のまま使った状態です。ウエスにもみかん色素が付いています。
原液のままではベタベタしすぎて使いにくいこともありますが、色素がつくのを防ぐためにも薄めて使うことをおすすめします。
特に無垢材の家具や壁紙など、吹きかけたまま拭き取り切れていなかったり、何度も使うことで色素沈着する可能性があります。
心配な場合はライムやレモンなど色の薄い柑橘類を使ってみてください。
掃除する際の服にも気をつけましょう!私はガッツリつけてしまいましたが、酸素系漂白剤で一応きれいにとれました
いつもなら捨ててしまうみかんの皮も、楽しみながら洗剤を作ることができます。
注意点に気をつけながら自分にも環境にも優しいお掃除ができたらいいですね!