ベンガラって手作りや自然素材が好きな人にとってはにわかに気になるけれど、ちょっとハードル高く感じてしまうこともあるのではないでしょうか?
私も今回はじめてベンガラで色付きリップを作りましたが、意外と使いやすくおもしろい素材で気に入りました!
作り方と注意点など記録しておくので、気になった方は見てみてください。
ベンガラってなに?
ベンガラは土からとれる酸化鉄で、古来から天然塗料として使われています。昔インドのベンガル地方から輸入されていたため、ベンガラ(弁柄)と呼ばれるようになったそうです。
ベンガラは陶磁器の模様が描かれるなど染料、錆止め、そして化粧品にも使われてきました。
ベンガラはどんな色味?発色は?
私は普段ほとんどお化粧をしません。すみません、口紅もほとんど買ったことがないので市販品との比較はできないのですが、とにかく通年唇が紫色なので手作りリップで色付けをしています。
めっちゃ元気でコンディション良くても唇は藤木…
そんな私の感覚ですみませんが、ベンガラはレンガ色といった感じのマットで深みのある色です。
単体の発色は悪くはなく、ほんの少量でしっかり色がつきます。試しに粉単体で腕にのせてみました。
取り出した時に串についた粉を腕に当て、
指で広げてみるとこんな感じでよく広がります。
あまりにしっかり色がつくのでビビって少量入れたのですが、実際にリップにすると薄まって重ね塗りが必要でした。
ここの調整がむずかしい
が、たのしい。
色付きリップにベンガラを使うときのコツ
- 口紅やマイカと混ぜる
- 作りたい色味を入れる
- 少量ずつ加える
ベンガラ単体だと黒っぽい赤、茶色といってもいい色ですので、マイカやお手持ちの口紅と混ぜて使うことをおすすめします。
絵の具とは違いピンクを作るのに赤と白というわけではなく、ピンクっぽくしたかったら単純にピンクを入れるとピンクに寄っていきました。オレンジならオレンジ系のマイカを足すなどしてみてください。
みつろうやオイルと混ぜとベンガラの発色は少し落ちますが、だからといって入れすぎるとマイカを足してもベンガラが強すぎて好きな色味がなかなか作れなくなります。
みつろうやオイルを足してある程度薄めることはできますが、できる量がものすごく増えていってしまうことになるので、つまようじの先くらいの量を少しずつ入れるようにしてみてください。
ベンガラを扱うときの注意点
気をつけていないと、パウダー状なのでよくあちこちに付きます。付いては広がっていきます。
衣類はすぐにシャボン玉石けんで落とせばとれましたが、エプロンをつけたりちいさなお子さんには気をつけてあげてください。
できたものの色味の確認を何度も腕でしますが、それを取るのが大変なのでウエスやティッシュを用意します。(ウエスは多めに!)
腕をこすりすぎて赤くなり色味がわからなくなるという……
ベンガラがついたものはゴミ箱ではなく別にビニール袋等を用意して捨てます。
ベンガラを使った色付きリップの作り方
まずは用意するものです。
手作りリップを作ったことがある方であれば、いつもの材料にベンガラや好みのマイカ色、市販の口紅などを加えるだけです。
準備するもの
今回は回転式のリップクリーム容器で約3本分作ります。
<材料>
- みつろう 3g
- オリーブオイルなど植物性オイル 10~12g
- ベンガラ(好みの色味量)
- 好きなマイカや口紅(好みの色味量)
<道具>
- 耐熱ビーカー
- マドラー
- 鍋
- リップクリーム容器
- ウエスやティッシュ
- ビニール袋
- エッセンシャルオイル(お好みで)
お好みでシアバターやグリセリンなどご用意ください。
みつろう 3g
今回は未精製のものを使いました。化粧品に使えるグレードのものをご用意ください。フレーク状のほうが溶かしやいのでおすすめです。
オリーブオイルなど植物性オイル 10〜12g
植物オイルの量で固さが決まります。夏は溶けやすくドロドロの塗り心地になってしまい、冬は寒さで固まると唇に塗りにくいです。
- 夏:少なめの10g
- 冬:多めの12g
など、調整してください。
アルガンオイル(フランス・オーガニックコスメ【CODINA(コディナ)】など)が使用感も良くおすすめですが、今回は用意がなかったためオリーブオイルを使っています。
ベタつきが強いので、好みに応じて下記オイルをご参考ください。
今回はオリーブオイルのほかにシアバターも入れました。
お好みで!
ベンガラ(お好みの色味量)
工業用や染料用などベンガラはいろいろあるので、化粧品グレードのものをご用意ください。少量入ってるもので大丈夫です。
マイカや口紅(お好みの色味量)
今回は人から頂いたものの使われずに余っていたうすいピンクの口紅を加えました。
ベンガラやマイカを使わず、とりあえず家にあるもので色付きリップを作りたい方は薄めにはなるのかもしれませんが、量があればそれだけでもできそうです。
湯せんできる道具(鍋・耐熱容器・マドラー)
みつろうを湯煎で溶かします。
耐熱容器はリップクリーム容器に注ぎやすいものを用意します。マドラーはガラス棒や竹串、お箸などでOKです。
お知り合いはホットプレートで湯せんしていました!
少し時間はかかりますが、問題なくできますよ!
リップクリーム容器 3本
今まで使っていたリップクリームの容器を再利用もできます。
色味を調整するうちに量が増えていくことがあるため、予備の小さな容器も用意しておくといいかもしれません。
エッセンシャルオイル(お好みで)
みつろう、植物オイルも同じですが、化粧品グレードで信頼できるメーカーのものを使います。入れなくても大丈夫です。
ベンガラリップクリームの作り方手順
さっそく作っていきます!
下記では詳しく書いていますが、やることは「溶かす」「混ぜる」「容器に入れる」の3ステップです。
途中まで色なしリップクリームと同じです
- STEP1材料を耐熱容器に入れる
すべての材料をはかり、耐熱容器にいれます。
- STEP2湯せんにかけて溶かす
お湯をはった鍋に耐熱容器を入れ、弱火でじわじわ溶かします。ときどきかき混ぜます。
熱しすぎるとみつろうや植物オイルの成分が失われるため注意してください。
- STEP3よく混ぜる
一旦火をとめガラス棒などを使ってしっかり混ぜます。
- STEP4色を足していく
ベンガラやマイカ、口紅などを少量ずつ加え、よく混ぜます。
- STEP5色味調整する
ガラス棒を持ち上げておくと付いたリップがすぐに冷えて固まっていきます。その状態で手や腕につけて色味をみてください。
もし濃ゆすぎたら少し植物オイルやみつろうを加えて薄めてください。
耐熱容器の中のリップが冷えて固形化してきたら、色ムラができないよう温め直して再度よく混ぜてください。
- STEP6容器に入れる
気に入った色味ができたら、リップが固まらないようにサラサラの状態ですばやく容器に入れます。
空気が入り空洞になることがあるので、少しずつ注ぎつつ容器をテーブルにトントンと軽く打ち付けながら流し込んでください
冷めると上部の表面がへこんでくるので、表面張力を利用して結構ぷっくりなるまで入れて大丈夫です。
(エッセンシャルオイルを入れる場合は容器にいれる直前に入れてください)
- STEP7固める
季節にもよりますが、1〜2時間放置して冷ましたら完成です。おつかれさまでした!
片付ける際の注意
みつろうはそのまま排水溝へ流すと固まってつまりの原因になります。柔らかいうちにウエスや新聞紙、ティッシュなどできれいに拭き取って捨ててください。
もし固まってしまったらもう一度湯せんに戻し、
拭き取りやすくすればOK!
あわてないで行ってくださいね
完成したベンガラリップの色味や使い心地
しっかり固まったベンガラリップを塗ってみると、先に書いたようにさっと塗っただけでは少し薄すぎました。ビビらずもう少ししっかり色味を加えても良かったかもしれません。
ビーカーに残っていたものを使って厚めにぬってみると…
しっかり色がつきました。唇にのせたときも厚めに塗って少し時間が経つとベンガラが唇に定着するのか、血色良い気に入った色味になりました。
次回はちょっと濃いめにつくってみたいですね
手作りベンガラリップの使用期限
防腐剤などを入れていないので2、3ヶ月くらいで早目に使い切ったほうがいいですが、私は冷蔵庫にいれて半年くらいは問題なく使っています。
様子を見ながら変な色や匂いを感じたら使用を中止してください。
キャリアオイルにもこだわって楽しくつくろう
慣れてしまえばリップクリームも料理感覚で15分くらいで作ってしまえるようになります。
みつろうのほかにもキャリアオイルは種類も豊富なのでいろいろ試してみるとおもしろいと思います。
なかでもフランス・オーガニックコスメ【CODINA(コディナ)】のオルガンオイルはリップクリームはもちろん、顔や髪にも直接つかえるオーガニックオイルとして人気です。
今回はオリーブオイルを使っていますが、おそらく少し重たく感じる人もいると思います。オルガンオイルであれば、サラッとしてベタつきが少なく使いやすいです。
ほかにもキャリアオイルの鉄板スイートアーモンドオイルや甘い香りで癒されるココナッツオイルなど、色々使ってお気に入りの組み合わせを見つけてみてください!